RPAとはRobotic Process Automationの略で、デスクワークを自動化して行ってくれるツールのことを指します。
工場ではライン作業など単純作業が多いので、どんどん機械化が進んでいます。それに対して、RPAはデスクワークをロボットに覚えさせる目的で開発されました。
一定のルールに従って定型業務を行うことができ、企業の生産性向上に貢献するツールとして知名度が急上昇しています。
イメージとしては、「会社情報の一覧を読み取って、住所は1の欄に、電話番号は2の欄に、ホームページのURLは3の欄に記入してね」というようにロボットに指示します。
RPAは24時間の作業が可能。思考が必要ない作業を、ルールに従って延々と指示通りに行ってくれます。
RPAツールは業務効率化をもたらすものとして期待されていました。しかし、導入企業のアンケート(調査実施日:2021年2月10日~20日)を見ると、思ったほどの効果を挙げられていないと感じている企業が多々あります。
また自動化する業務が決まらなかったなど、目的を明確にせずに導入した結果、RPAを使いこなせずにいる企業も。
そのため、RPAツールは導入するだけではなく、使いこなせるまで継続的にコンサルティングを行ってくれる企業を選ぶことが大切です。
2022年2月22日にRPAツールを提供している会社30社を調査。その中から、RPAツールによる効率化の実現まで、継続的にコンサルティングを行うと明記している会社を3社、紹介しています。
それぞれ特徴が異なっているため、自分の会社に合う特徴からお選びください。
複数の拠点でアカウントをシェアできるRPAツールが望ましいです。
特に拠点やデバイスが変わっても、RPAツールの設定をし直す必要が無いものを選ぶと、導入の手間なく効率化ができるため、相性が良いと言えるでしょう。
カスタマイズ性でRPAツールを選ぶと良いでしょう。
業務によってRPAツールの設定を変える必要があります。都度カスタマイズができるRPAツールなら、業務が変わっても同じRPAツールを使うことができ、コストカットに繋がります。
BPMツールといった、業務フローの見直しができるツールとの連携ができるRPAツールを導入すると良いでしょう。
ルーティンワークを自動化するだけでなく、業務フローの改善も行えるため、大幅に時間短縮できる可能性があります。
複数拠点で
同じ業務をするなら
日常業務が頓雑なことから、リソースのパンクが懸念されていました。
RPAの導入は考えていませんでしたが、battonがマッチしているのではと考えて導入。
メール配信や広告媒体レポートなど、判断がルール化されているものはRPAに任せることで、ウィークリー業務で1時間ほど、デイリー業務にて3時間半ほどの効率化が実現。余った時間をコア業務に回すことができています。
少人数の当社にとってありがたいことです。
業務の移り変わりが
多いなら
働き方改革を見据え、全国各拠点の業務フローを標準化するためにRPAツールをと考えていました。
Automation Anywhereを導入した結果、およそ40,000時間の削減に成功しています。
管理面の工数や野良ロボットリスクを踏まえ、クライアント・サーバータイプのツールを導入。手作業だと難しい作業が実現しただけではなく、ミスのリスクも軽減されました。
また、繰り返し作業や処理待ち時間も任せることで、社員のストレスも軽減されています。
複数業務をまとめて
効率化するなら
スウェーデンの行政機関におけるデジタル化の方法をレクチャー。それまで時間がかかっていたことや、単純作業ではあるものの、人間が行わなければならなかった作業が簡略化され、ミスも減ったとのことです。
結果それまでは難しいとされていた失業給付金やサービスの提供方法の刷新に成功。これまでと比較してワンランク上の環境の構築に成功したとのことです。
デスクワークの大きな割合を占めるエクセル業務ですが、エクセルにおいてもRPAは有効なのでしょうか?
エクセル業務におけるRPAのメリット・デメリットを見てみましょう。
RPAはロボットとして24時間稼働できるため、定型業務が自動化され、業務スピードが圧倒的に向上します。
エクセルにはマクロという自動化機能が備わっていますが、マクロはVBAというプログラミング言語が理解できなければ構築できないという弱点があります。
また、VBAによるシステム構築はマクロより幅広い業務をカバーできますが、やはり専門知識がなければできません。
それに比べ、RPAはプログラミングが不要。IT初心者でも使いやすいという強みを持っています。
また、エクセル内部だけでなく、他のソフトとも連携した業務の自動化が可能な点でRPAは優れています。
一方で、RPAを導入するリスクも押さえておく必要があります。
例えば、RPAには不向きな作業もたくさんあります。
特に、人の思考が必要な作業や、デジタルで読み取りにくい情報の認識などが苦手です。
他部門が複数でRPAを使う場合、常に共通認識をもって動かさなければ、急なシステム変更で誤作動が起こるかもしれません。
このように、RPAは非常に便利な業務効率化ツールですが、扱いには十分な注意が必要です。
非常に便利なツールとして注目されているRPA。
大きな違いとして、1つのパソコンに入れて動作する「デスクトップ型」、サーバで複数のロボットを同時に管理できる「サーバ型」の2種類があります。
ここからは、国内外で展開されているRPAツールを紹介します。
国内シェアNo.1(2019年10月時点公式サイトより)のデスクトップ型RPAツールです。
大手NTTデータのサポートが受けられ、国産ツールということで国内において絶大な人気を誇ります。
1台からスモールスタートでき、小規模ですぐに始めたい人におすすめ。
WinDirectorという管理統制用のサーバを利用することにより、数千台の管理も可能です。
日本でのシェアを着実に広げているサーバ型RPAツールです。
サーバが大きいため、複数のパソコンでの同時運用が可能。使うパソコンが多くなるほどコストパフォーマンスが向上するため、ボリュームの大きい業務の自動化に向いています。
世界1800社(2018年9月18日時点)で導入されているデスクトップ型RPAツールです。
1か月の無料お試し期間やCommunity Editionという無料で使えるプランが用意されており、導入に手間がかかりません。
規模を大きくしたければ、UiPath Orchestratorという商品によりサーバ管理も可能になります。
使いやすさやアプリとの連携力が強みです。
イギリス発の多国籍ソフトウェア開発会社Blue Prism社が生み出したサーバ型RPAツールです。
1000台の同時運用が可能。以前は「高い」と言われていたコスト面が見直され、スモールスタートが容易になりました。
GoogleやMicrosoftなどと連携し、AI技術を取り入れることも可能。
また、セキュリティの強さも特徴で、ニューヨーク・メロン銀行でも利用されています。
Autoジョブ名人は販売管理や経理など、様々な業務のデータ収集や入力業務を自動的に行い、また専門スタッフがトラブルにも対応してくれます。お手ごろな価格で導入できるため、非常に利用しやすいこともメリットです。
BizteX cobitはボタンのタッチだけでデータ入力や収集作業を代行できるようになり、効率化と品質向上が期待されています。無料体験もできるため、お試しから本格的に導入して業績を上げたケースも非常に多いです。
「目で画面を見ながらマウスとキーボードで出来てしまうような作業がすべてできる」という、RPAツール「Robo-Pat」。PC内のすべてのシステムやアプリケーションを操ることができるのはもちろん、人が無意識に操作している難しい画像認識、エラー回避なども、見事に再現します。専門知識は必要ないため、現場レベルで業務の自動化を実現。情報流出などのリスクを減らすこともできます。
「ユーザー個人のデスクワークを効率化する」というコンセプトのもとに、ドラッグ&ドロップで簡単に作成できるRPA「CELF RPAオプション」。導入コストがPC1台あたり38,500円(税込)と、導入しやすい価格であることもポイントです。PC内の作業を自動化するRPAエンジンと、Webアプリの作成機能が融合した業務効率化ツールです。
国内でも大きな盛り上がりを見せているRPA業界。
東京ではRPA DIGITAL WORLD TOKYOという大イベントが毎年行われるほか、開発会社による導入をサポートするセミナーが定期的に開催されています。
初心者でもわかりやすい操作体験を含むセミナーや、無料で行われているセミナーも多いため、東京でRPA導入を検討している企業の方は、セミナー情報をチェックしておきましょう。
大阪では初心者向けのRPAセミナーが頻繁に開催されています。
初心者向けセミナーは無料で参加できる場合が多いため、気軽に行きやすいというメリットがあります。
主催会社によっては毎月開催しているところもあるため、要チェックです。